理事長ご挨拶

書海社は、大正10年(1921)に『書海』誌を創刊。令和3年、創立満100年を迎えました。この機会に、ホームページをリニューアルして、情報の整理とスマートフォンなどへの対応改善をはかり、役立つコンテンツと多彩な画像、興味深い情報をお届けして参ります。

世の中のIT化が急速に進行する中、文字を手書きする機会は激減し、書道を取り巻く環境は衰微しつつあります。しかし、漢字も仮名も手書き文字として完成した書体であり、取り分け世界に類のない表意文字である漢字は、数千文字を常用し、楷・行・草の兼用のみならず、隷書や篆書、古文に到る歴史をたどることもできます。この文化をないがしろにしてIT化が進むことは、文化の高揚発展に大きな損失をもたらすに違いありません。

書海社は、伝統的書道の神髄を多くの方々と共有し、普及と発展に尽力して参ります。この新たなホームページが、IT社会に大きく開いた窓口となることを願い、内容の整備拡充に尽力し、来訪者へのサービスと、ご要望にお答えできる体勢を整えて参ります。

まだまだ未熟なホームページですが、皆さんのニーズに対応しつつ充実させて参ります。是非、この shokaisha.or.jp をブックマークに登録して頂きますよう、お願い申し上げます。

令和3年(2021)8月
一般財団法人書海社 理事長 谷 村 しゅんどう

創立100周年《書海社》のホームページ

《書海社》は、大正10年(1921)6月15日に月刊書道研究誌『書海』を創刊し、爾来、100年に亘り「書道」の普及、振興、発展に寄与すべく活動しています。

創始者の松本芳翠(まつもと ほうすい 明治26年1893―昭和46年1971、日本藝術院會員)は、「格調高い純正な書法を鍛錬し、磨き抜いた処に崇高なる書美が備わる」との信念を貫きました。

その書道理念に基づき、《書海社》は、端正な楷書、清逸な行書、正統の草書を標榜。更に伝統書法に基づく篆隷書、及び假名も、広く書法を追究し、鍛錬することを目標とする書道家団体です。

『書海』誌を通じて学書の資料を豊富に提供し、支部、サークル、独習者の指南となり、また、『書海社展』などを主催して、書活動の場を通じて書道の発展に寄与すべく尽力しています。


多くの方は「美しく整った文字を書きたい」とお習字を始めます。良い手本を選んで、横画、縦画、転折(てんせつ)、トメ、ハネ、ハライなどの基本用筆をマスターし、字形を整え、筆勢、筆力、筆致の変化も学んで行きます。

良い手本とは、筆線が美しく字形が整ったものですが、それ以上に、気品と格調の高さが大切です。長年に亘って学ぶ手本は、筆線や字形を学んでいる内に、その気品や格調も自ずと身につくものだからです。

昨今は個性を尊重し、教条的に型に嵌める事を嫌います。確かに個性は大切ですが、鍛錬して消える個性は単なるクセです。同じ手本を学んでいても、自ずと個性は表れます。個性も格調高く磨くことで価値が上がります。


松本芳翠は、自分の書が後進の範となることを常に意識した書家です。お手本として書き残した多くの書蹟は勿論、書作家として最大限の芸術表現をした作品でも、品格こそが書美の生命であるとの考えが貫かれています。

《書海社》は、松本芳翠の残した厖大なる書蹟資料と、100年に亘る書道教授のノウハウとを、今後もふんだんに提供して学書者の便宜に供したいと考えます。このホームページはその窓口として機能すべく開設するものです。多くの学書者、書道愛好者にご高覧、ご活用いただければ幸いです。

また、不十分な点、不適切な内容等があればご指摘いただき、ご要望にも極力お答えできるよう、随時、改善して行きますので、ご意見やご質問もお寄せいただければ幸いです。

令和3年(2021)6月15日
《書海社》広報部

組織概要

名称
一般財団法人 書海社
所在地
〒110-0008 東京都台東区池之端2-8-1 光画館ビル 201
電話
03-5834-1774